回転灯の色の使い分け、ご存知でしょうか。
街中で目にする回転灯には通常、赤色、黄色、青色、緑色、(と、紫色)があります。この回転灯の色、実は使用場所によっては法律で定められています。
それは、車両に取り付ける場合です。
詳しくは後でご説明いたしますが、車両に取り付けて道路を走行する場合、回転灯の色は決められています。
一方で、車両以外で回転灯を使用する場面もたくさんあります。建設現場や駐車場の出入り口、店頭看板の上に付けられるアイキャッチ用途などこのような車両以外での使用用途での色の選び方についても調べてみました。
車に取り付ける回転灯(車載回転灯)は、道路運送車両法により車両の種類に合わせて使用する色が定められています。また色以外にも点灯方法、明るさの基準なども細かく車両の種類に応じて定められています。
車両用の回転灯は法律で色の識別が定められていますので誰でも自由に使用できるわけではありません。車両の種類に応じて届け出や認定を受けなければなりません。唯一、紫色の回転灯だけは申請は不要ですが、これも停止中のみ使用が許可されています。
ファッション用途などで車に回転灯をつけてしまうと道路交通法違反になってしまいます。
緊急自動車に使われます。
代表的なのはパトカー、救急車、消防車ですが、ガス会社や電力会社でもガス漏れや漏電などの応急作業用に赤色回転灯を付けた緊急車両が用意されています。
また、輸血運搬車両などにも赤色回転灯が使用されます。
道路交通法施行令 第三章 第十四条より抜粋
前条第一項に規定する自動車は、緊急の用務のため運転するときは、道路運送車両法第三章 及びこれに基づく命令の規定..中略..により設けられるサイレンを鳴らし、かつ、赤色の警光灯をつけなければならない。
道路維持作業用自動車に使われます。
道路維持作業車とは、NEXCO、JAFに代表されるような道路の維持・修繕・道路標示の設置などを行う専用車両を指します。
高速道路の道路管理パトロールカーや除雪車、清掃車などが含まれます。
道路交通法施行令 第三章 第十四条の三より抜粋
道路維持作業用自動車は、道路の維持、修繕等のための作業に従事するときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる黄色の灯火をつけなければならない。
自主防犯活動用自動車に使用されます。
いわゆる防犯パトロールカーです。ただ誰でも自由に青色回転灯を使用できるわけではなく、自主防犯活動のために使用する車両として警視総監または各都道府県や警察に届け出を行い証明書の交付を受けなければなりません。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2006.06.13】〈第一節〉第 76 条の2(自主防犯活動用自動車)の2一より抜粋
自主防犯活動用自動車に備えることができる青色防犯灯の灯光の色、明るさ等に関し、..中略..次の各号に掲げる基準とする。
一 青色防犯灯の灯光の色は、青色であること。
二 青色防犯灯は点滅式(光源が点滅するものを除く。)であること。
運搬車両に使用されます。
(回転灯設置の法的義務はないようですが)緑色回転灯は、幅3メートルを超えるトレーラーをけん引するトラクターに取り付けられます。
緑色回転灯を使用するためには、緩和申請の認定を受けなければなりません。
停止中の故障車両に使用します。
紫色の回転灯は、故障などにより停止した車両に追突防止用として後続車に停止を知らせるために使用されます。
使用のための申請・届け出は不要ですが、回転灯を点灯できるのは停車時のみで走行中は使用できません。
車載回転灯の色 | 用途 | 例 | |
---|---|---|---|
赤色 | 緊急自動車 | パトカー、救急車、消防車 | |
黄色 | 道路維持作業用自動車 | 道路管理パトロールカーや除雪車、清掃車 | |
青色 | 自主防犯活動用自動車 | 防犯パトロールカー | |
緑色 | 運搬車両 | 幅3メートルを超えるトレーラーをけん引するトラクター | |
紫色 | 停止中の故障車両 | 故障車両の停止時(個人使用OK) |
緊急自動車、道路維持作業用自動車はその自動車を使用者が申請、認可を受ける必要があります。
緩和申請の詳細は、公安委員会、陸運局にてご確認ください。
工場の敷地内や建設現場、ショッピングモールの駐車場の出入り口など様々な場所で回転灯が使用されています。注意喚起や非常通知、アイキャッチ用途など人の注意を引きたい場所で使用されますが、使用する色はどのように選ばれているのでしょうか。
実際には、明確な決まりは無いようです。
使用用途や場所によっては景観条例などに引っかかることもあるかもしれませんが、車両用の回転灯のように細かく全てが定められているわけではありません。
ではどうやって選ぶの?
一般的に使用場所と用途で引きたい注意にあった色を選ぶのが基本です。
以下は一般的な使用用途です。
危険を知らせる場合。
メンテナンス中の装置で誤操作を防止したい場合や工場ラインの緊急停止の周知など緊急時、危険や非常を知らせる場合に赤色回転灯が使用されます。
お店のアイキャッチとしても使用されています。
注意を促す場合。
信号機同様、黄色は注意の色です。駐車場の出入り口などは黄色の回転灯が一般的です。ほか、建設現場でのクレーン車や工場内のフォークリフトなど衝突防止、追突防止の注意喚起なども黄色回転灯が使用されます。
お店のアイキャッチとしても使用されています。
防犯灯としても使われています。
青色には気持ちを落ち着かせる効果があるとされていますので、車両用回転灯同様、防犯対策に使われているケースが多々あります。
建設現場や工事現場の仮設事務所の表示灯など無人になってしまう夜間に青色回転灯を回していたりします。
(警告灯として赤色の回転灯を設置している仮設事務所もあったりとこの辺りは好みになってしまいます)
お店のアイキャッチとしても使用されています。
グリーンは「正常」を表す場面で使われることが多い色です。
工場ラインで使われる積層灯(複数色を搭載する表示灯)ではラインが正常に流れている時は緑色の表示灯が点灯しています。
お店のアイキャッチとしても使用されています。
いかがでしょうか。
何気なく目にする回転灯の色ですが、用途に合わせて適切な色が選ばれています。
特に車両用は法律で定められていますので車両用の回転灯の色は誰もが守らなければなりませんが、工場内などで使用する場合は「この色はこの意味」という共通の認識を持つことが大切です。
回転灯の色を理解し、正しく使用することでスムーズな作業の遂行や安全な職場環境作り、お客様の目を引いて集客アップなどに回転灯がお役に立ちます。
自主防犯活動用自動車(防犯パトロールカー)にモーターレスLED回転灯は使用できません。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第76条の2(自主防犯活動用自動車)の2-二にて、「青色防犯灯は点滅式(光源が点滅するものを除く。)であること」との定めがありますので、モーターレスLED回転灯は使用できません。ご注意ください。他、ご不明な点は管轄されている都道府県、自治体、警察署にお問い合わせください。
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